お知らせ
猛暑・湿度・結露 2023.8.8
今年も猛暑が続いています。
例年この季節はメンテナンスの対応で平日でも休日でも朝から夜まで大忙しです。特に暑い夏はエアコンの効きが悪いというご連絡が多くなります。
「冷風が出ない」、「室外機に水をかけないとすぐに止まる」、「 エアコンから水しぶきが飛ぶ」、「天井の吹出口から水が垂れる」など、その症状は様々です。
ただ最近では特に、単に「故障や劣化、能力不足だけの原因ではないのでは?」と思われる事が増えてきています。
その中でも結露によるカビの発生は思わず頭を抱えてしまう問題です。
弊社のみならず、年々、結露問題は深刻化してきており、これまでの空気調和設備計画の見直しを図る必要に迫られるほどになってきています。
少し前までは結露というと暖房が効いた室内の窓の表面結露のように、冬に多く起きる現象でした。
ところが昨今では、夏場の壁内結露による被害の報告と調査依頼が増えてきています。これを「夏型結露」と呼ぶそうです。
この「夏型結露」の発生原因として、建物の気密性が高くなったこと、猛暑により大気中に含まれる水蒸気量が増えたことなどが考えられます、。
また「夏型結露」に起因すると思われる被害として、室内の壁や床にカビが発生しクロスに黒ずみができてしまう、木製の吊棚やドア枠が反り返る、床下や天井裏、壁の裏側にもカビが発生する、などがあげられます。
結露の発生する条件と湿度の一例をあげてみましょう
■湿度が50%の場合
室温10℃のとき、屋外気温0℃
室温15℃のとき、屋外気温5℃
■湿度80%の場合
室温10℃のとき、屋外気温7℃
室温15℃のとき、屋外気温12℃
湿度が50%の場合は、部屋の内外の気温差が約10℃で結露が発生します。
湿度が80%の場合は、気温差約3℃で結露が発生する事になります。
つまり、湿度が高ければ温度差が小さくてもすぐに結露してしまうということになります。
下のグラフは実際に弊社が調査を行った、湿度と温度の推移表です。
赤い線が「気温」、青い線が「湿度」となります。
温度が高い時は湿度(相対)の数値は下がりますが、温度が低い時は湿度があがります。
温度により空気中に含むことのできる水蒸気の上限が変わる為、同じ水蒸気量でも温度により湿度の数値が変わっているのがわかります。

立地条件、建物の構造、空調と換気の設置状況など様々な要因が合わさって「夏型結露」は発生します。
空気調和設備工事にかかわるものとして、この「夏型結露」の「対策」、「改善」の方法を探し出し、早急に「予防」に努めていければと思い日々調査を行っております。